ここぷれ(ココプレイス)は、岡山市東区にある就労継続支援B型事業所です。当事業所のホームページでは、工賃の仕組みや実際の作業内容を、なるべく詳しく紹介するようにしてきました。

先日、見学の窓口になってくださっている相談支援専門員の方から、率直な感想をいただきました。「ここぷれのサイトは、なんだか難しそうに見える」と。実際の作業は、決して難しいものではありません。直すべきは、伝え方のほうでした。今回は、その経緯と、実際に何を変えたかをお話しします。サイトの説明を見直すことは、「仕事そのものが難しそうに見える」という誤解を防ぐことにもつながると考えています。岡山でB型事業所をお探しの方に向けて、ここぷれの高い工賃(高賃金)の仕組みと、実際の作業のイメージが伝わるサイトを目指しています。

[ここに写真を追加してください(例:ここぷれの外観・作業風景など)。「メディアを追加」から差し替え可能です]

この記事のポイント

  • 岡山市東区西大寺の就労継続支援B型事業所「ここぷれ」が、相談支援専門員の方からいただいた「サイトが難しそうに見える」という声をきっかけに、説明の言葉を見直しました。
  • 作業の説明は、身近なたとえ話に言いかえました(例:箱入れ作業は「プラモデルのパーツを、枠から外していくような作業」)。
  • 「工場」と聞いて思いうかべるイメージと「ここぷれの場合」を並べて、冷暖房・座ってできる作業・職員の同行を具体的に伝えるようにしました。
  • わかりやすい説明を支えているのは、写真付きの手順書による作業の標準化です。この仕組みが、時間あたり800円〜1,000円という高い工賃(高賃金)にもつながっています。

目次
1. 「難しそう」の正体
2. 直したのは、たとえ話
3. 「冷暖房完備」で終わらせない
4. 「わかりやすい説明」を支えているもの――手順書の整備
5. 岡山でB型事業所をお探しの方へ
6. ご家族へ、相談支援専門員の皆様へ
7. よくある質問
8. おわりに

「難しそう」の正体

福祉事業所のホームページには、どうしても専門用語や制度の説明が並びます。「就労継続支援B型」「工賃」「施設外就労」——制度を知っている人には当たり前でも、初めて見る方には壁になります。

私たちのサイトも例外ではありませんでした。工賃の仕組みや実績の説明を先に置いていたため、「実際にどんな作業をするのか」が伝わる前に、読むのをやめてしまう方がいたかもしれません。指摘を受けて初めて、自分たちでは気づけていなかったことに気づきました。

ここぷれのサイトを読んでくださるのは、B型事業所を探しているご本人やご家族、そして紹介してくださる相談支援専門員の方々です。高い工賃(高賃金)という強みがあっても、実際の仕事のイメージが伝わらなければ、比較検討の土台にすら乗れません。ここぷれという事業所名とあわせて、「何をする場所なのか」が一目で伝わることを目指しました。

専門用語を、ひとことで言いかえると

見直しにあわせて、サイトでよく使う言葉を、初めての方にも伝わる言葉に置きかえてみました。

言葉 ここぷれでの言いかえ
就労継続支援B型 体調やペースに合わせて、働く経験を積める福祉サービス
障害者総合支援法にもとづく障がい福祉サービスのひとつです。雇用契約を結ばずに、生産活動などの機会と、働くために必要な支援を受けられます。
工賃 作業へのお支払い
B型事業所は雇用契約を結ばないため、お支払いするお金を「賃金(給料)」ではなく「工賃」と呼びます。
施設外就労 職員といっしょに、実際の工場へ出かけて行う仕事
ここぷれの就労先は、株式会社精密スプリング製作所 西大寺工場(岡山市東区西大寺川口)です。
相談支援専門員 福祉サービス選びの相談役
障がいのある方の相談にのり、サービスの利用に必要な「サービス等利用計画」をつくって、事業所との調整を行う専門職です。
受給者証 福祉サービスを使うための証明書
正式には「障がい福祉サービス受給者証」といいます。お住まいの自治体から支給決定を受けると発行され、B型事業所の利用に必要です。

参考:厚生労働省「障害福祉サービスの内容」

直したのは、たとえ話

最初に変えたのは、作業の説明です。

たとえば「箱入れ作業」。以前は「パーツを仕分けて箱に入れる作業です」とだけ書いていました。いまはこう書いています。

たとえるなら、プラモデルのパーツを、枠から外していくような作業です。

箱入れ作業の様子。金属の枠から打ち抜かれたパーツを、手で1か所ずつ外していく(岡山のB型事業所ここぷれの施設外就労)

「穴あけ作業」も同じです。

 

たとえるなら、書類に穴をあけるパンチと同じです。

穴あけ作業の様子。部品をのせてレバーを引き、金属部品に穴をあける(岡山のB型事業所ここぷれの施設外就労)

作業名だけでは伝わらなかった「力はいらない」「難しくない」という感覚を、身近なたとえに置き換えました。

ここぷれで実際に行っている作業は、特別な技術や体力を必要としないものばかりです。言葉を変えるだけで、B型事業所の仕事に対する印象は大きく変わることを、あらためて実感しました。

ここぷれの6つの作業を、たとえ話でまとめると

サイトでは現在、6つの作業を、このような言葉で紹介しています。

作業 どんな作業? 姿勢/覚えるまでの目安
組み込み作業 見本を横に置いて、ばねを1本ずつ、決まった場所に入れていく作業です。数より、ていねいさを大切にしています。 座ってできる/短時間で覚えられます
箱入れ作業 たとえるなら、プラモデルのパーツを、枠から外していくような作業です。外した部品を箱に入れていきます。 立ち作業/5〜10分
グラインダー作業 金属の小さな出っぱりをけずって、さわってもひっかからないように仕上げる作業です。 立ち作業/20分ほど
穴あけ作業 たとえるなら、書類に穴をあけるパンチと同じです。部品をのせて、レバーを引きます。 立ち作業/20分ほど
曲がりを直す作業 たとえるなら、まがったクリップを、指でまっすぐに戻すような作業です。 立ち作業/5〜10分
ばねの検査業務 たとえるなら、まちがい探しのような作業です。見本と見くらべて、決められたところをはかって確かめます。 座ってできる/10分ほど

※覚えるまでの時間は目安です。どの作業にも手順書があり、職員が同じ作業にいっしょに入ります。どの作業が合うかは、見学・体験のときに一緒に決めます。はじめから全部やる必要はありません。

「冷暖房完備」で終わらせない

もうひとつ指摘をいただいたのが、職場環境の伝え方です。

「工場」と聞くと、暑いところで力仕事をするイメージを持つ方が多いそうです。実際には、施設外就労先の工場には冷暖房が入っており、6つの作業のうち2つは座ったままできます。「冷暖房完備」という一言で終わらせず、「工場ではたらく、と聞いて思いうかべること」と「ここぷれの場合」を並べて書くようにしました。

工場と聞いて不安に感じる方の多くは、「体力的についていけるか」「一人で放っておかれないか」を心配されています。ここぷれでは、支援員が作業のそばで様子を見守り、体調やペースに合わせて仕事量を調整できる体制を整えています。B型事業所ならではの安心感も、あわせて言葉で伝えられるようにしました。

「工場」のイメージと、ここぷれの実際

思いうかべること ここぷれの場合
暑いところで、ずっと立ちっぱなし 工場には冷暖房が入っています。6つの作業のうち2つ(組み込み作業・ばねの検査業務)は、座ったままできます。
大きな機械、力のいる仕事 中心は検品・梱包・組み立てなどの軽作業で、力仕事はほとんどありません。機械を使う作業は、慣れ具合やご希望に合わせて少しずつお任せします。
一人で放っておかれそう 職員が現場に同行し、横で同じ作業にいっしょに入ります。どの作業にも手順書があります。
体力的についていけるか不安 ノルマはありません。その日の体調に合わせて作業内容や休憩を調整し、事業所内での軽作業を選ぶこともできます。

[ここに現場の写真を追加できます(任意)]

「わかりやすい説明」を支えているもの――手順書の整備

たとえ話に置き換えられたのは、そもそも作業そのものが、誰にでも同じようにできる形に整理されていたからです。ここぷれでは、精密スプリング製作所と連携した製造業DXの取り組みの中で、以前は職人の勘や経験に頼っていた作業を、写真付きの手順書に落とし込み、標準化してきました。

手順が決まっているからこそ、「なぜその作業をするのか」「どのくらいの時間で覚えられるのか」を、具体的な言葉やたとえ話で説明できます。説明がわかりにくいままだったのは、その手順書の中身を、外向けの言葉に翻訳できていなかっただけだったのかもしれません。

ここぷれが目指しているのは、単に「工賃が高いB型事業所」と言われることではなく、高い工賃(高賃金)を支えている仕組みそのものを、わかりやすく伝えることです。この標準化の仕組みは、時間あたり800円〜1,000円という工賃の水準にもつながっています。詳しくは、以前の記事「なぜ高い工賃をお支払いできるのか――製造業DX×標準化で実現する、岡山のB型事業所「ここぷれ」の仕組み」でご紹介しています。

岡山でB型事業所をお探しの方へ

ここぷれは、岡山市東区西大寺にある就労継続支援B型事業所です。工賃の水準だけでなく、「実際の作業が難しくないか」「説明を聞いてイメージが湧くか」も、事業所選びで大事なポイントだと考えています。見学の際は専門用語を使わない説明を心がけていますので、気になる点があれば遠慮なくご質問ください。

高い工賃(高賃金)と、わかりやすい説明。この両方がそろって初めて、岡山でB型事業所を探している方に、ここぷれという選択肢を正しく届けられると考えています。

見学のときに確かめておきたい5つのポイント

  1. 作業の中身を、具体的にイメージできるか(作業名だけでなく、たとえ話や実物で説明してもらえるか)
  2. 工賃の金額と、その工賃が続く仕組み(どんな作業から工賃が生まれているか)
  3. 職員のサポート(作業のそばに職員がいるか、困ったときにすぐ相談できるか)
  4. 体調に合わせた調整(作業内容・休憩・通う日数を相談できるか)
  5. 通いやすさ(送迎の有無と範囲、昼食の用意など)

ここぷれ以外の事業所を見学されるときにも、比較のメモとしてお使いください。

ここぷれの基本情報

事業所名 就労継続支援B型事業所 ここぷれ(岡山市東区西大寺店)
※「ココプレイス」「CoCo Place」とも表記します
所在地 〒704-8195 岡山県岡山市東区西大寺金岡1278-3
電話 086-368-2373(平日 8:30〜17:00)
営業日 月曜日〜金曜日(週1日から利用できます)
見学・体験 見学:平日 9:00〜16:00/作業体験もできます(いずれも無料)
定員 20名
対象となる方 精神障がい・知的障がい・身体障がい・発達障がい・難病のある方
主な作業 施設外就労:組み込み・箱入れ・グラインダー・穴あけ・曲がり直し・ばねの検査
事業所内:軽作業・内職
工賃 施設外就労は時間あたり800円から(習熟度に応じて1,000円をめざせます)
施設外就労先 株式会社精密スプリング製作所 西大寺工場(岡山市東区西大寺川口)
送迎 あり(送迎車2台・片道30分以内が目安)
昼食 お弁当あり(希望制・自己負担200円)
運営 合同会社CoCo Place

ご家族へ、相談支援専門員の皆様へ

ご家族へ

サイトが分かりにくいと、実際の作業まで伝わらず、必要以上に不安を感じさせてしまいます。今回の見直しは、そうした不安を減らすための、小さいけれど大事な一歩だと考えています。

ご家族の方に向けたメッセージは、「ご家族の方へ」のページにもまとめています。

相談支援専門員・支援学校の皆様へ

事業所を紹介する立場の方にとって、説明のしやすさは重要な判断材料だと思います。分かりにくい点にお気づきになったら、遠慮なくお声がけください。それが、いちばんの見直しのきっかけになります。

ご紹介の際の参考に、私たちがいま使っている説明の言葉をまとめました。そのままお使いいただいてもかまいません。

  • 「たとえば、プラモデルのパーツを枠から外すような作業です。力はほとんどいりません」
  • 「工場には冷暖房があって、座ったままできる作業もあります」
  • 「どの作業にも手順書があって、職員が横でいっしょに作業します」
  • 「見学・体験は無料です。まずは雰囲気を見るだけでも大丈夫です」

ここぷれが大切にしている考え方は、代表から関係者の皆さまへのメッセージ「関係者の皆様へ」でもお伝えしています。

よくある質問

見学やお問い合わせのときに、よくいただくご質問をまとめました。

Q. ここぷれの作業は難しくありませんか?未経験でもできますか?

A. 難しい作業ではありません。ご利用中の方も、ほとんどが未経験から始めています。作業は6種類あり、どれにも写真付きの手順書があります。覚えるまでの目安は、短いもので5〜10分、長いものでも20分ほどです。職員が現場に同行し、簡単な工程から少しずつお伝えします。

Q. ここぷれの工賃はいくらですか?「時給」とは違うのですか?

A. 施設外就労(工場での作業)の工賃は、時間あたり800円からスタートし、作業の習熟度に応じて1,000円をめざせる仕組みです。B型事業所は雇用契約を結ばない福祉サービスのため、お支払いするお金は「賃金」ではなく「工賃」と呼ばれます。いわゆる「時給」にあたるのが、この時間あたりの工賃です。通う日数と時間から1か月の目安を計算できるシミュレーターを、トップページに用意しています。

参考までに、全国のB型事業所の平均工賃は月額24,141円、岡山県は月額21,650円です(令和6年度実績/出典:厚生労働省「平均工賃(賃金)月額の実績について」)。

Q. 相談支援専門員を通さずに、見学を申し込めますか?

A. はい、ご本人やご家族から直接お申し込みいただけます。見学は平日9:00〜16:00に受け付けており、希望される方は作業体験もできます(見学・体験は無料です)。お電話(086-368-2373/平日8:30〜17:00)か、お問い合わせフォームからご連絡ください。

Q. 利用を始めるまでの流れを教えてください。

A. 一般的には、次のような流れです(自治体によって手続きが異なる場合があります)。

  1. ここぷれの見学・体験
  2. お住まいの地域の福祉事務所で、障がい福祉サービス受給者証を申請
  3. サービス等利用計画案の提出(相談支援専門員に作成を依頼するか、ご自身で作成するセルフプラン)
  4. 自治体による認定調査
  5. 受給者証の発行
  6. ここぷれとのサービス利用契約

くわしくは「ご利用案内」、そのほかのご質問は「よくあるご質問」のページをご覧ください。

おわりに

今回直したのは、サイトのごく一部です。専門用語での説明が他にも残っているはずですし、私たち自身では気づけない「分かりにくさ」もまだあると思います。見学にいらした方、お問い合わせをくださった方からの率直な声を、これからも歓迎します。これからも、ここぷれは、岡山でB型事業所をお探しの方に向けて、高い工賃(高賃金)とわかりやすい説明の両方を大切にしていきます。

あわせて読みたい


見学は、いつでも受け付けています

ご本人だけでも、ご家族だけでもかまいません。支援機関・企業の皆様からのご相談も歓迎です。

TEL 086-368-2373/お問い合わせはこちら(https://cocoplace.co.jp/contact/)


執筆者プロフィール

この記事を書いた人

濱田 洋輔

濱田 洋輔 Yosuke Hamada
合同会社CoCo Place 代表社員/株式会社精密スプリング製作所 役員

金融機関でキャリアをスタートし、コロナ禍を機に家業である株式会社精密スプリング製作所へ。未経験から製造現場に入り、DX(デジタル技術)を駆使した現場改善に取り組む。全国ワークスタイル変革大賞 中国・四国大会 最優秀賞を受賞するなど、その取り組みは社外からも評価されている。

製造業の現場で障がいのある方の働く力に出会ったことをきっかけに、「福祉×製造業」という支援のかたちを実現するため、2026年より合同会社CoCo Place 代表に就任。「利用者さんを送り出す福祉側」と「受け入れる企業側」、両方の現場に立つ当事者として、就労継続支援B型事業所「ここぷれ」を運営している。